既存店の売上を上げるのは簡単と言い切る理由
既存店の売上を上げるのは新店舗を作るよりも遥かに楽です。
なぜなら、既にお客様がいるから。
新聞販売での研修で、どうしたら新規のお客様を獲得するか?よりも離脱を減らすか?が先に取り組むべきこと。なぜなら読んでない人を振り向かせるよりも読んでる人を振り向かせる方が圧倒的に楽だからね。なのに新規を獲得したくなるのは不安からくる。大事にするべきは既存客ですよね。
— 成田直人@既存事業を爆伸びさせるコンサルタント (@naritanaoto) June 30, 2021
ちょうど昨日ツイートもしたんだけど、多くの店舗(新聞販売を例にしているけど訪問販売も同じ)は新規のお客様を集める努力はするけど、既存客を定着させるための努力は後回しにする癖があります。
お客様がもっと店舗のファンになれば売上は安定するし伸びるんですよね、来店頻度が上がるからです。(新聞販売なら朝刊だけの人が朝刊夕刊をとるようなイメージ。さらに子供向けコンテンツや電子版もそう)
基本的な戦略としては、すでに普段から店舗を利用しているお客様の離脱を防ぐことから検討するのが良いです。というか絶対そう。
私は今来店しているお客様が「明日もきてくれるにはどうしたらいいのだろうか?」を最初に考えます。
できればコンビニエンスストアのように毎日きてもらいたいそう本気で思っています。仮に既存客が100名いて週に1回の来店だとすると1ヶ月の全体の客数は4週で400名となりますよね。しかし、毎日だとどうなりますか?約3000名になります。
400名→3000名と考えた時に、新規客を2600名集めるのは超至難の業です。とんでもない広告費がかかると予想します。
それよりもすでに利用しているお客様に毎日来ると超お得なオファーを出して来店誘致した方がコストも低くて済むし、すでに満足してくださっているわけですから来店頻度も施策次第ですが上がります。
どうして店舗経営者は既存店舗の売上を上げる時に新規集客ばかりに目を向けるのか不思議なのですが、「新規集客絶対信者」なので「辞めた方が良いですよ」と最初にアドバイスするようにしています。
新規集客からの広がりと既存客からの広がりのスピードの違い
新規集客で獲得したお客様と既存のお客様とでは店舗に対する親和性の高低があります。
当然ながら常連客・リピーターのお客様の方が親和性が高いです。新規集客で獲得したお客様はどう考えても離脱する可能性が高いわけです。なのになぜ・・・笑
私は基本的に店舗ビジネスは原理原則に基づいて戦略設計するべきだと思っていまして、インサイドアウトを前提に組むようにしています。まぁ当たり前ですね。
インサイドアウトは、親和性の高い内側から外側に移行していく流れを指します。
最も親和性が高いお客様とは、常連客です。その次にリピーター、そして新規のお客様という順番です。
内側から外側に影響をしていくのですが、これが確実に店舗を強化するプロセスに繋がるので間違ってもアウトサイドイン(新規→リピーター→常連客)では物事を考えないようにしてください。マジでコストがかかりすぎるので。
私は常々クライアントには、今高頻度で来店しているお客様を幸せにすることを考えましょう、と伝えています。
この層は来店頻度と客単価が上がりやすいです。しかもすでに満足してくださっているので売り込みなんかしなくても信用して商品やサービスを気持ちよく購入してくださいます。(ありがたいですよね。)
店舗が顧客との適切な関係をしっかりと築いていれば既存店はまだまだ売上が伸びるし、広告で呼び込んでいるわけではないので利益率も上がります。
口コミ集客につなげて新規客を獲得する
そして、常連客とリピーターの来店頻度が上がる戦略を立ててPDCAを重ねることで確実に利益が上がります。と、同時に増えるものがあります。
それが口コミです。これはもちろん自然発生的な流れではなく、意図的に組んで常連客・リピーターにオンライン上(グーグルマイビジネスが好ましい)に投稿してもらいます。
(※間違ってもインセンティブを与えるようなことはしないでください、アカウントが消されます)
普段から利用してくださっていて価値を感じているからこそ5点(満点)をつけてくださいます。ここで一点口コミ投稿で問題視されることがあります。
それが、「グーグルのアカウントを持っていない」という悩みです。マニュアルを作りましょう。それもQRコードを使った簡単なマニュアルを。これで基本的には解決します。
マニュアル渡しても難しいからといって書いてくれません・・・ってこないだ研修で言われたのですが、それマニュアルになってますか?と逆に質問してしまいました。
使い勝手が悪いとスタッフがアカウント開設の仕方を教えるという無駄が生まれます。マニュアルの作り込みはとても大切です。
一番身近にいるお客様を見ないで、外側のお客様のことばかり考えていたら常連客やリピーターは愛想をつかして他の店にいってしまいます。
コロナ禍で苦しんでいる店舗やサービス業でこれまで地元のお客様を大切にしていて信頼を築いていたところが、近年のインバウンドで楽にお客様を獲得して力を入れていたらコロナで倒産の危機、というのも近い感覚を持っています。
簡単に手に入るものは、簡単に失います。アウトサイドインよりもインサイドアウト。簡単に手に入るものに翻弄されず、時間をかけて顧客と信頼残高を積み上げる努力をしていきましょう。(これが和の心だと思います)
今お越しくださっているお客様の満足度を高めることに集中しましょう。