顧客満足の定義を変えることで組織は変わる
顧客満足度を向上したいという企業は多いです。もちろんまだまだ店内がストレスだらけの店も一部にはあるので顧客満足度を向上するためにどうしたらいいのか?という視点で考えることが重要な会社(店)もありますが、もう時代は顧客満足から顧客感動にレベルアップしている気がします。
私も15年間毎月のようにクライアント先の店頭で立っていてヒシヒシと時代の変化を感じてきたのですが、良い意味で「わがまま」なお客様が増えたなと思っています。
良い意味というのはお客様が理不尽な駄々をこねるというよりは「これくらいしてくれて当たり前でしょ」というスタンスです。期待に応えられなければサイレントクレームで再来店をしないという意思決定につながります。
店舗に求める基準が高まり少しでの不手際で激高するお客様が増えたのは考えものですが、サービスレベルで10年前の顧客から評価を受けていたサービスは普通レベルになっているなという感覚を持っています。
あなたの店はどうでしょうか。お客様が店舗に求めるサービスレベルが高くなったなぁという感じありますか?
そこで当社でも5年前からくらいかな、顧客満足度を上げる!という言葉をあんまり使わなくなりました。むしろ顧客満足は当たり前で想定外を生み出す顧客感動を目指すようになりました。
ですから顧客満足度を高めることで地域ナンバーワン店を実現する、というよりは顧客満足度を高めるのは当たり前、定義も変わり「当たり前のことを当たり前にする」ことが顧客満足と言うようにしています。
なりたのぼやきですが、これまではよかったですよね、当たり前のことを当たり前にしてちょっと+αがあればリピート紹介で溢れていました。しかし、今ではこんなんじゃ定着しないですね。よっぽど競争がない限り。
当たり前+αから明確な感動ポイントが必要になった
重複しますが、顧客の店舗に求めるサービス基準の高さは業種にもよる面もありますが全体的に高まったなという印象があります。(店舗ビジネス本当に大変ですよね、いつもお疲れ様です本当に)
私のクライアント先でもこれまではストレスフリーと言って顧客にストレスを与えずに店舗を運営し、小さな喜びを積み重ねるひと手間を加えることで顧客は熱狂してくれました。
今は、それにさらに加えて明確な想定外(感動)が必要だなと実感しています。入店してから退店するまでの間に顧客がこれまでの滞在経験で味わったことがないような感動です。
これを積み上げ続けることで顧客を自社や自店舗のファンにすることができるのです。新しい店はオープンし続けるし、少しでも油断すればライバル店にお客様を奪われてしまいます。
まさに店舗戦国時代です。もちろんライバルがいない商圏に店舗を出店し、なかなか参入障壁が高い事業であれば前者の顧客満足の領域でも寿命長く勝負できると思います。
いかんせん私のクライアントは皆競争相手が多い業界が多いので、ソフト面(人材やアイデア)で勝負をすることが求められます。
売上を上げ続けるためには競争相手の少ない&現在の業態から近しい業態への変更か、どこかの企業との組んで店舗を併設させて両社の顧客のシェアをして新たに開拓するか、とそれなりに選択肢が限られています。
こうして私もクライアントワークをしながら色々試行錯誤を重ねる中でたどり着いたのが
②顧客離脱が少ない
③利益率が高い
④LTVの向上
の四点を満たせる「想定外を生み出すアイデア」です。これからの集客の主流にもあるであろうグーグルマイビジネスの口コミ集客とも相性がよく力を入れています。
売場や接客、店内でお客様の目に入るもの、触れるもの、コミュニケーションの接点をブラッシュアップし続ける文化の構築が「想定外のアイデアを産み続ける」ことにつながります。
実際にクライアントを見ていても「楽しいよなぁぁぁ一緒に働きたいなぁぁぁぁ」と思う店が沢山あります。
働く人もお客様に喜んでもらいたいという共通の価値観を持っているので一生懸命アイデアを練ります。大掛かりなものから盲点でなんで今まで気づかなかったんだろうというような小さな変化まで様々です。
この積み上げが地域ナンバーワンへの近道だし、なにより組織が強くなります。盤石な商品やサービスは企業や店舗が目立てば目立つほど模倣されやすいです。
本当に、友人の会社でよく覚えいているのが、塚田農場です。飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大し200店舗くらいに差し掛かった頃に「山内農場」が参入してきましたよね。
ほぼ似た業態で山内農場が元祖だと思っている人も現れるほど。この時の恐怖は今でも明確に覚えています。
いつXデーが訪れるかわからないからこそ、普段からアイデアを生み出し続けて顧客を魅了する文化を構築することがこれからの多様化した時代には欠かせない視点だと思っています。
ぜひ顧客感動につながる店づくりの参考になれば嬉しいです。