売れる販売員と売れない販売員の違いとは
同じ商品を扱っているのにもかかわらず売れる販売員と売れない販売員に分かれるのはなぜか?
それは、接客販売のプロセスに理由があります。
売れる販売員は、接客を通して「想定外」(感動)を作り、売れない販売員は「想定内」(満足以下)で接客が終わります。
想定外の作り方は後述するとしてまずはじめに「想定内(満足以下)について話します。
なぜ「満足以下」は商品が売れないのか?それは、オンラインショッピングがあるからです。顧客が欲しい商品を購入することができれば満足します。店頭で顧客の要望に応えていれば当たり前ですが、顧客は欲しい商品を購入できて満足です。接客対応が悪ければ不満になります。
オンラインショッピングの信憑性が低かった頃はまだこの売り方をしても売れましたが、今は欲しい商品を見つければ購入前に「もっと安い店があるんじゃないか?」と考えます。当然ながらオンラインが安ければ顧客はオンラインで購入をします。
以前、私に経営相談をしてくださったスポーツ用品店の経営者は、「店舗をショールームだと思っている!試着をしてアマゾンで買うなんてあり得ない!」と自店舗の売上低迷の理由がアマゾンにあると怒っていました。おそらく私も同じ手法を取るでしょう。
だってそうじゃないですか?欲しいものを買うのになぜわざわざ高い店で購入しなければいけないのでしょうか。そんなに文句があるなら試着料でもとればいいのでは?(こんなことしたら絶対にお客様こなくて潰れると思いますが)
欲しいものを売るだけでは顧客に選んでもらうことができない、とても厳しい時代になったのです。
だから、想定内で売る人、もっというと売る店は売れなくなるのです。
想定外を提供するには「手順」が超重要
売れない販売員がなぜ顧客に嫌がられるのか?好かれる販売員はなぜ顧客を惹きつけてやまないのか?その差は商品の提案するプロセスにあります。
今日は、「複数商品販売」についてお話をします。これは店頭で働く販売員なら一度はぶつかったことがある壁である「客単価アップ」するための複数商品提案です。
ここで売れる・売れないに分かれるのですが、売れない人は「メイン商品」+「付帯商品」という考え方をしています。
例えば、ABCマートで説明をするとわかりやすいと思うのですが、靴+防水スプレーです。パソコン専門店ではパソコン+プリンター+デジカメ、です。
と、このように足し算で接客を勧めます。
具体的な手順としては、靴が決まりました。そして、レジ横にある防水スプレーを指さして「お客様ご一緒に水と汚れを弾いてくれる防水スプレーはいかがでしょうか」という勧め方です。
この手法は売れないし、お客様にいやがれる可能性が高いです。理由は「靴」を買ったことでもう買い物は終了しているからです。ここでさらに商品を販売しようとする姿勢にうんざりします。
なので多くのお客様は目も合わせずに「結構です」とそっけない返答をするわけです。(これ結構やってる販売員いるから注意しましょうね〜)
では、売れる販売員はどういうプロセスで接客販売をしているのか?
売れる販売員=(メイン商品+付帯商品)
そう、(メイン商品+付帯商品)という考え方で接客販売をしています。メインと付帯商品が別々という考え方ではなく、一緒です、一緒。
どういうことかというと、先程のABCマートの接客で紹介しますね。
「お客様、白い靴って何が一番気になりますか?」
「汚れですね」
「そうですよね、私の靴見ていただけますか?実はこの白い靴もう2年近く履いてるんですよ!」
「えぇぇ綺麗ですね!」
「ありがとうございます。お客様お手入れ好きですか?」
「いえ、嫌いです。」
「僕も同じです。あんまりABCマートのスタッフなので言っちゃいけないのですが、汚れが着くと落ちにくくて結構凹みます。でもなんでこんなに綺麗にはけているかというと、防水スプレーを2週間に1度かけている、これだけなんです」
・・・とまぁここから具体的にセールスをするのですが、メインの靴が決まる前(白い靴を検討中)から防水スプレーに触れている、というのがポイントです。
(白い靴+防水スプレー)→綺麗に長く履き続けられるという想定外を提供しています。
こうやって接客は組み立てると顧客は想定外を体感してくれます。「おぉぉ!本当だ、全然汚れがつかない!なんでもっと早く知らなかったんだろう、成田さまさまさまや〜」となるわけです。
接客販売で顧客に好かれる・嫌われる差というのは単品単品で説明をして積み上げる接客なのか、顧客におすすめしたい商品をオールインワンで接客をするかの違いです。
あなたの接客はどちらですか?ぜひ一度振り返ってみてください。