顧客満足だけではお客様に選ばれない厳しい時代の到来
2000年初頭から顧客満足度を高める、という新しい文化が到来しました。
来店したお客様が満足すればリピート率が高まる、さらには口コミでの来店も増える、だから顧客満足度を高めよう!と。
顧客満足度の言葉日本に浸透したのは世界一のホスピタリティホテルであるリッツカールトンの書籍が出版されて加速したイメージがあります。
今でも元リッツカールトン日本史社長の高野登氏の功績は大きいとつくづく実感しています。
私は個人的に高野氏と親交があり、昨年私がパーソナリティを務めるFM横浜「仕事が楽しくなり、挑戦したくなるラジオ」に出演していただいたさいにこんな興味深いことをお話されていました。
「顧客満足度を高めるフェーズから顧客感動がこれからの企業に必要な時代にはいった」とお話されており「なるほど!」と首がもげるくらい同意したのを覚えています。
顧客満足では不十分な理由
ではなぜ顧客満足を高める!という社内文化では不十分になったのか?
理由は、顧客満足を高めるというのが企業のスタンダードになったからです。
むしろ顧客満足に関心を寄せない企業はよっぽどの商品力がない限り選ばれません。
今日本中の多くの店は商品による差別化が難しくなっています。なぜなら物流革新でどこでも良質なサービスが得られるようになったし、一部の一流飲食店をのぞき、全国の新鮮な食材をいつでも楽しめるようになりました。
この「何をどこでも」という地理的優位性が崩壊した今、商品による差別化は難しいと言わざるを得ません。
オンラインサービスを加えたらなおさら同意しかないはずです。
顧客満足が企業に浸透したことで日本のサービスレベルは確実に世界でも優位性を発揮しました。ここ数年のインバウンドの爆発の要員も日本のホスピタリティが影響していると私は思います
顧客感動を文化にした組織こそ次の時代に選ばれる店の条件
私はクライアントに「それは顧客が熱狂しますか?」とよく販促会議で質問をします。店舗に入って目にしただけで「こういうの欲しかったのよ!」と思わず発狂してしまうようなレイアウト・演出を目指すことが大切です。
なぜなら、もう世の中には商品が溢れすぎていて、どこでもなんでも手に入るから店舗は大衆化しやすいからです。
だからほとんどの売場はスルーされてしまうし、スタッフがメーカーや本部主導のレイアウトの設営をしても反応が低いのです。
これではスタッフのがんばりも報われないですよね。
平凡な売場になれば、顧客にとっても魅力がないし、従業員側としても面白みにかけるわけです。
私はあえて、お客様にとって衝動買いを促すレベルの売場づくりを要求しているのは売れれば従業員も楽しいしやりがいを感じられるからです。
言われたこと、聞かれたことに答えるだけの単純な仕事は接客業を選んでいる従業員は望んでいません。
本当はもっとお客様との会話を楽しみたいし、変化のある仕事をしたいと思っています。
ただ単に、オペレーション型の運営にすっかり慣れてしまったので忘れているだけなのです。
人は環境に染まるので、私と同じ基準で店内革命を起こしたら顧客の笑顔はみて取れるし、従業員のファンも増えていきます。
顧客感動を追求していけばいくほどその分、従業員満足度向上にもつながることを覚えておいてください。
このように顧客感動を追求する店内文化は超高収益店舗になります。
従業員満足度=離職率低下=採用コスト減
に繋がるからです。