顧客満足は笑顔の練習だけでは一ミリも改善しない
顧客満足度を上げたい!と考える経営者や事業部長が最初に頭に浮かぶのが接客マナーだそうです。
たしかに接客マナーはとてつもなく必要なのですが、接客マナーだけではもはや顧客満足度は高まりません。
↑一緒に読むと理解が深まるのでおすすめです!
そこで接客マナーの中でもお客様に笑顔で接するのは重要な指標のようで(当たり前すぎる)笑顔の練習をしていると聞いてびっくりしました。
別に接客マナー研修を否定するつもりはないです。しかし、笑顔の練習をする必要はあるのかは甚だ疑問です。
作り込まれた笑顔で相手がリラックスするわけがないと私は思っています。(だって目が笑ってないですからね、どれだけ口角あげたところで)
顧客満足度を高めるために笑顔に力を入れた現場からの不満
クライアントが「最近私たちの現場では笑顔に力を入れるために研修したのですが、どうですか?何か雰囲気変わりました??」と私に聞いてきたので「えっ?ほんとですか??」と逆に聞き返してしまったほど何も変わっていませんでした。
いや、この質問をされてよく考えてみるとぎこちない笑顔で接するスタッフが激増したなぁ・・・という印象を抱いてしまいました。
ここで私はクライアントに早速「笑顔の研修を導入して現場が少しでもお客様とのコミュニケーションを円滑にしたい!という想いは共感しました。しかし、残念ですが逆効果です」と言った瞬間驚きと怒りが入り混じったような表情に変わりました。
「すみません、僕あまり言葉選びがうまくないので・・・率直に言いましたが、そうだと思います。」
とてもショックを受けた担当者は、「どういうことですか?」と聞いてきたので、こう答えました。
成「●●さんは、笑顔の研修を受けて自然な笑顔ができるようになりましたか?」
ク「はい、たしかに私もすごい勉強になりましたよ!」
成「なるほど!それは素晴らしいですね。では現場の皆様は?」
ク「先生のおっしゃる通りぎこちないかもしれませんね。」
成「●●さんと現場のメンバーで生まれているこの差は何だと思いますか?」
ク「社歴ですかね・・・汗」
成「●●さんはいつも僕を出迎えてくださる時から自然な笑顔で1日中お客様にもスタッフにも笑顔で接していますよね。」
ク「そうですかね。ちょっと照れます・・・」
成「しかし、現場にはぎこちなさが残る・・・その理由は」
ク「何でしょうか。。。」
成「ズバリ言うわよ!(細木数子さん風)あっ違った違った、すばり申し上げると『余裕』の差です。」
笑顔になれない本当の理由は笑顔スキルではなく「余裕がない」から
誰だって気のおけない仲間(友達)と一緒にいる時は自然と笑みが溢れます。
接客業を仕事に選ぶ多くの人はよく笑います。休憩中はそれこそすごい笑っているのに仕事になると一気に無表情に変わる人がいます。
この人に笑顔の練習をするよりも「なぜ笑顔になれないのか?」を考えた方が解決が圧倒的に早いです。
私は、14年間で10万名以上の受講生を接してきて辿り着いた確信が「余裕の欠如」が笑顔になれない理由だということでした。
例えば出社して膨大な仕事を前にして余裕綽々でニコニコ仕事ができますでしょうか。無理ですよね。
おそらく一気に無表情になり黙々と淡々と次から次への仕事をこなしていくことになります。
だから店頭でも作業中のスタッフは笑顔になかなかなれないのです。
限られた時間で入荷検品と品出しと在庫管理をしなければいけない重圧(ストレス)が笑顔を奪っている、ということです。
余裕を作り出すことで笑顔は自然に生まれるというのが私の結論です。
笑顔の練習なんかするよりも業務効率をあげるための仕組みを作ってスタッフの負担を減らした方がどう考えても笑顔作りに貢献します。
何も難しいことはありません、各店舗の各分野のトップの作業効率を誇るスタッフが教育担当を勤めれば良いわけです。
仕事量を減らす仕組みやシステムを導入できるのであれば一番良いです。しかし、お金がない・・・という企業もあるでしょう。その場合は、教育プログラムを作って解決します。
レジ打ちが早い人が「早打ちテクニック研修」をする
在庫整理が早い人が「超速在庫整理術研修」をする
こんな感じでスタッフ間でノウハウの交換をすれば良いと私は思っています。
余裕=仕組み×教育
です。ぜひご自身の店舗でも沢山笑顔で溢れるように今日の話を活用してみてください。