メインの商品の利益率が低いから付属品で粗利を稼ぎたいのにうまくいかない理由
経営者は算盤で意思決定をし、販売員は感情で意思決定をする。
これは私がこれまで様々な企業に訪問をして実感している現場と本部の乖離現象を示した一文です。
客単価を上げて利益率を上げたい店舗経営者と、会社のためにお客様に売りつけるのは嫌だと思っている販売員。
あなたの会社はどうですか?私の過去のクライアント先でも確かに、はじめは会社の利益のために客単価アップするのはどうかしてると現場はブチギレモードだったことが何度かあります。
まるで中間管理職の板挟みのように私は完全に挟まれて身動きがなかなか取れなかった時期が懐かしいのですが、今ではこういう組織を見ても全く動じません。
今日はどうしたら超高収益店舗を作るための施策を現場で機能させるのか?という話です。
まずはじめに利益率が低いからアップするために付属品(アクセサリ)を強化する、という話は絶対にしないでください。というかこの話をしていいのは経営陣の中だけです。現場には不必要なのでおろさないようにしましょう。
付属品といえば、
靴→シューケアセット・防水スプレー
デジカメ→バッグ・レンズ・メモリーカード
テレビ→DVDプレーヤー・HDD・テレビ台・インターネット
携帯電話→カバー・インターネット・タブレット
などが挙げられます。
右側の商品の一部は粗利が低いものもありますが、左のメイン商品よりは粗利率が高い商品が多いです。
これらの商品をトータルで販売して全体の利益率を高めたいと経営者は思っているのですが、なかなかうまくいかない企業が多いです。
なぜなら店舗販売員は「なぜその商品を売らなければいけないのか?」が理解できていないからです。
理由が「利益率を上げたいから」では現場は納得しません。大切なお客様を騙すような行為はしたくないからです。
商品が顧客にもたらす価値を浸透させるのが先
なぜその商品やサービスがお客様に必要なのか?を考えることが大切です。
その商品やサービスがあることでお客様のライフスタイルがどれだけ豊かになるのか?が重要なわけです。
しかし、これまでお客様の欲しい商品やサービスを販売してきた企業ほど付加価値をつけた接客販売・セールスで苦労します。
「必要なものを売るのが仕事」という価値観が染み付いているからです。
私から言わせれば、お客様が認識している必要な商品やサービスを売るのが仕事であればあなた(販売員・営業)は必要ない、ってことです。それこそ進化し続けるAIやチャットで十分です。
さらに言ってしまうと、お客様が欲しいと思っているものを右から左に売ることだけを続けていると最安値で顧客が検索しオンラインで購入します。
そもそも店にすらお客様が足を運んでくれなくなります。恐ろしい世の中になりましたね、ほんと。
この文化を変えるためには、商品やサービスがお客様にどんな変化をもたらすのか?を一つ一つ現場に納得してもらわないといけません。
例えば、スマホのアクセサリでよくある問題は、「カバーがあれば落とした時にも傷一つつかない」という説明をして納得させようとしても「ネットならもっとたくさんあるしうちの店のはデザインがワンパターンでお客様に勧められない」というネガティブリアクションです。
私はクライアントにこういう声を大切にする部分と聞かなくて良い部分と分けて聞くようにしましょうと伝えています。
②聞かなくて良い部分・・・本人の好き嫌い(好みなど)
分けて物事は考えて付属品のラインナップを検討することが大切です。
これも折衷案が難しいし、需要予測も立たないのでトライアンドエラーするしかないのが、商品のバリエーションは顧客の選択肢にとって重要だし、従業員の納得度に合わせることも大切なのですが、増やしすぎると管理が煩雑になるのと顧客が逆に今度迷いすぎて買えないという現象になることがあります。
どないしたらええねん!っていう話なのですが、こればかりは少数ロットでテストをするしかないかなと思います。
クライアントの中には、従業員に好きな商品を一つ決めてもらい誰が一番売るか?とコンテストをしている店舗もあります。これはこれで企画なので面白いです。(商品の系統が被らないようにだけ気を付けてもらっています)
いずれにせよ顧客に商品を勧めるのはスタッフなので、スタッフが顧客のために積極的に商品提案できるように目的と商品選択をしていくことが重要です。
一方的に単価アップを狙う取り組み指令を出すのではなく、現場と一体になって納得感を確かめながら進めていきましょう。ただ、何もアイデアがなく文句ばかり言う人の話は上にも書きましたが聞かなくて良いです。
不思議と、付属品が売れるようになると一つのセールスの型になり成約率がグンと上がります。だんだんと付属品をつけずに売ることが申し訳なくなるほどです。この境地までトライアンドエラーを重ねていきましょう。