店販(物販)を売って利益を出したいのに現場に反対されるわけ
スタイリストの多くは「店販はお客様の意思で選べば良い」と思っています。
実はこれは本音ではなく、ただの逃げでしかありません。自分から勧めて断られるのが怖いのです。
なぜこの回答にいたったのかというと「自社のシャンプーやトリートメントがお客様が普段使っているものよりも良いと思っている人?」と聞くとほぼすべてのスタイリストがYESと言います。
(ってかこのシチュエーションで手を上げないという選択肢はないか・・・今気付きました・笑)
私からしてみればお客様の髪の状態をみて「うちのシャンプーとトリートメント使えば改善するのになぁ」と思えるほどの商品を取り扱えていて羨ましい限り!なのですが全然売れていないのです。
単純に勧めていないのです。もったいない、もったいなさすぎる!(ちなみに私は短髪なのでシャボン玉石鹸です毎日洗っていますよ)
職人肌の人は技術力を高めることに意欲がありますが、商品やサービスを売る方法をこれまで高めてこなかったため苦手意識を自然と持っているのでしょう。
そんなのはおやすい御用でござんす!ものの半年で超高収益店舗になりましたよっていう話を今日は紹介します。
美容室の店販(シャンプーやトリートメント、ヘアスタイリング剤)が伸びない理由
当社のクライアントである美容室ディーラー(卸)が店販を伸ばしたい!という話をしていて、そのために店舗で何ができるかを検討した結果、ある一つの売れない理由に辿り着きました。
それは、購買意思決定の頻度です。
例えば美容室に足を運ぶと、カットやパーマ、カラーを最初に意思決定しますよね。
顧客側としてはこの時点でもう購買意思決定において完了しています。
ですから追加で炭酸シャンプーを売ろうとしたり、施術後に商品やサービスを売ろうとしてもなかなか売れないのは購買意思決定を再度求められることへの嫌悪感があるのでは?と私は問題提起しました。
これが見事に当たっていて、購買意思決定を何度も求める側(スタイリスト)も求められる側(お客様)もストレスが生まれる瞬間なので基本的にはお客様から「欲しい」と言われるように設計しましょう、という話をしました。
お客様から欲しいを引き出すオファーの提示の仕方
損して得取れ!とはよく言ったものであらゆるビジネスにおいてはとてつもなく重要な考え方です。これを業界用語で「オファー」と言います。
まずはじめに「なぜお客様は美容室のシャンプーやトリートメントを購入しないのか?」という問いから始まります。
すでに今使用しているシャンプーやトリートメントに「不満」や「ストレス」を感じていないのではないか?考えました。
まずはじめに、今使っているシャンプーやトリートメントに不満を感じてもらう必要があります。
既存の選択肢に不満を感じなければ買い替えは起こらない
お客様に「今使っているシャンプーは指通りや香り、ブロー後のボリューム感とかどうですか?」と現状確認をします。
(ちなみにこの質問の意図は「指通り・ボリューム感・香り」において不満を感じているお客様を発掘できると売れる商品があるためこの質問をしています。)
自店舗・自社で取り扱う商品やサービスにはどんな価値があるのか?この価値をまず明確にすることが大切です。
お客様が今、ナショナルメーカーのシャンプーやトリートメントを使っているのだとしたらどんな価値を生み出すことができるのか?
それが、指通りやボリューム感、香りなのであれば、使用しているシャンプーやトリートメントに不満を感じさせるアプローチが必要になります。
おそらく現状確認の質問の時点では、「特に問題ない」とかえってくることでしょう、これでOKです。
これはあくまでもジャブでお客様の潜在意識に「指通り・ボリューム感・香り」この三つのキーワードフックをかけることが目的です。
商品価値を最大限体感できるプロセスを設計する
そして、最後にシャンプーやトリートメントをしてブローをしながら、
お客様の体感レベルで
えっえっ??ボリューム感半端ない!
やばい、気絶しそうなほど香りが良い!
と体感してもらえるようにシャンプートリートメントの手順を構築します。
例えば、お客様に指通りを確かめてもらう、とかボリュームを生かしたスタイリングをするとか、お客様の好きな香りを聞いてその香りに近いシャンプーをセレクトするとか。
そんなに難しいことではなくお客様が単純に「これいい!」と思ってもらえる体験をしてもらうだけです。
最後に断れないオファーを提示
最後に今日使ったシャンプーとトリートメントのサンプルを無料提供します。
クライアントは1週間分のシャンプーとトリートメントをプレゼントして、シャンプーやトリートメントをする際の注意点(放置時間など)をお伝えし、ブローの仕方を丁寧に教えます。
プロ視点のノウハウは顧客の体験価値を向上させることに繋がるので
「今まで間違ってた方法でシャンプーしてたなぁ」などの気付きが与えられると権威性が増します←リピート率向上に繋がります。
お客様の「今使ってるのよりもすごく指通り良いし、ボリューム感出るし、香りが良いから使ってみたいなぁ・・・」を不満を上手に引き出すことができた上でのこのオファーは感動に繋がります。
「えっ??いいんですか??」となり、感謝されます。スタイリストもプレゼントしているだけなのでストレスがありません。
お客様は無意識に受け取る、店舗側は意識的に仕組む流れが美しいセールスデザイン
無料プレゼントを受け取ったお客様は早速自宅で使ってさらなる感動を手にするのですが人間には返報性の原理というのがあるためお返しをしたくなります。
それこそが次回来店時にシャンプーとトリートメントを購入するというアクションなのです。
最後に、今日の話で、スタイリストのもうひとつの苦手問題に対応できる話をひとつ。
店販を売ることが苦手なスタイリストはお客様に次回の予約をとるのも苦手です。自分から聞いて断られたら恥ずかしいしショックが大きいから。
これも同じです。お客様から「次回の予約してもいいですか?」と自らの意思で伝えてもらうことです。
お客様も強制的に「次回の予約は?」と聞かれて答えるのもストレスだし、聞く側もストレス。
お互いのストレスを解消するためにも、設計をすれば良いのです。ちなみにシャンプーとトリートメントの無料オファー(適切なステップを踏むのは必須)をしたことでリピート率も上がるし、店販率も向上し超高収益店舗を作ることができました。
今もまだトライアンドエラー中の施策があるのですが結果がでればこのサイトでも紹介しますのでどうぞお楽しみに。沢山の美容室関係者に読んでもらいたいなぁ・・・(シェアお願いします、頑張って書いたので!)