店内スタッフが販売促進の企画を作る店は飽きられない
私がコンサルティングをする企業の多くは販売促進を本社が一括して管理しません。
全店舗で同じ販促企画・・・もうさせないですね、そんなつまらない企画って感じです。
そもそも本社は来店する顧客の顔が見えていません。
なのでマスマーケ視点で販促企画を作り店舗で実行しようとします。もう無理ですよね、金太郎飴作戦は・・・(よほどの普段から需要爆発店舗じゃないと)
といきなりブラック成田から始まるのですが、今店舗で顧客は何にワクワクするのか?は店内で働く人が一番よく理解しています。
アルバイト・パートは個人差がありますが、少なくとも正社員は仕入れと接客対応をするので「主任、この商品ありますか?」と聞かれれば取り扱いも一瞬でわかるし、「この商品次いつ入荷しますか?」と聞かれれば「5月1日だよ」と即答できます。
いわゆる各売場の主任がそのコーナーでの司令塔です。司令塔は顧客のニーズを深いレベルで理解をしているのと売場知識があるため自社で取り扱いがある商品以外にも見識を持っている人が多いです。
今日は、この主任レベルを主役にした売場作り・販促作りの話をします。
クライアントの中には、1000坪を超える大型の店舗を展開している店があります。ホームセンターやスーパーです。
かといって小さい飲食店の方が読んでも学びになるように再現性持たせて話を展開するのでご安心を。
店舗の中核を担う主任(他業態では副店長・リーダークラス)と販促企画をこれまでに1000企画以上作ってきましたが、情報量が多いためヒット企画を連発できる才能の塊です。
これを主任が自覚できるとめちゃくちゃ繁盛店になるし、顧客の来店頻度とファン度が高まります。
仕事に対するモチベーションも責任感も強い(成田調べ)ので、一緒に仕事をしていて同志のような感覚で売場づくりをします。
主任が企画を作り続けられる限り店舗の未来は安泰だ、といつも思っています。
各売場にいる主任と販促会議を開く時に次から次へと企画が出てくるように私は設計しているので今日はその話をしましょう。
ステップ2 主任の情報を可視化する
ステップ3 情報をもとにした販促会議の実施
こんな感じで主任とは接点を持ち企画の量と質を向上させています。
ステップ1 主任の位置付けを明確にする
あなたの存在する理由は何ですか?
私はよくこの質問をするようにしています。
もちろん初めはこんな質問を受けたことがないので困惑しています。それが普通です。
でもこの二つの質問に答えられないというのは実にもったいない、これまで数えきれないほどの無駄な行動をしてきた可能性が高いです。
①あなたの仕事は何ですか?
②あなたの存在理由は何か?
自分の仕事が可視化されていないということはやらなくても良いことをやってしまっている何でも屋・便利屋になっています。これでは本来の仕事に避ける時間が減り主任という役職をまっとうすることができません。
主任とは?主任にしかできない仕事は何か?これを話し合いながら定義をします。
目の前のタスクに振り回されない軸を明確にします。これが存在理由です。
この定義と存在理由の一つが・・・そう、販促企画を立案することなのです。
「あ〜なるほど私の仕事はこれなんだ」と明確になると仕事のモヤモヤ感が減りタスク処理速度と正確性が抜群に高まります。さらに、やるべきことが明確なので不足している点は自身で学習するようになります。
主任で選択と集中ができている人が少ないので、これに気づくだけでパフォーマンスは劇上がりします!
毎回びっくりするのは自分で販促の教科書を買って読んだりするから「おぉぉ!」といつも称賛しています。だいたい入門書としていつもこの本が選ばれています。
初めに販促の教科書を読んで、次に売場・陳列の教科書を読む人が多いですね。
このシリーズはとても読みやすくなっていて左半分が解説で右半分がイラストになっています。
ちなみに・・・
これ私の本です。なぜ、私のコンサルティングを受けているのに、シリーズで私の本を買わないんだよ!っていつも突っ込むのが定番ですね。(中には本を買ってサインください!と言ってくださる受講生がいますが・・・100%贔屓しますよね・笑 読者が一番大事ですからぁぁぁ)
ステップ2 主任の情報を可視化する
続いて情報の可視化です。主任は感覚で仕事をしている人が多いのと売場の主任によってお客様からのリクエストに対して「うちは取り扱いがないです」と冷たい返しをする人もいれば「本社に聞いてみますね。仕入れができるようであれば10日ほどお時間頂戴しますが、よろしいでしょうか」と粘って売上獲得する主任に分かれます。
当然ながら後者が情報量は多く店内販促においての成功確度が高いです。
情報量=成功率
なので、現時点で主任がどこまで情報を持っているのか?をすべて可視化して主任レベルを把握します。
帳簿を見て各商品の売上比率は全主任が把握しているのでこれを「情報量0」としてスタートします。
ここから加点方式で情報量を算定します。
例えば、過去の販促での成果や工数把握(+ライバル店舗の販促企画把握)、取り扱いない商品の問い合わせ、品切れで顧客に迷惑をかけやすい商品(補発不足)、近隣のライバル店舗の取り扱い商品(価格)状況・・・など。
どこまで自身の売場に対する情報を持っているのかを確認します。
やはり、売れている売場の主任の情報量は多い(高得点)し、販促ヒット率も高い、です。
超生意気ですが、主任レベルをここで確定させていただき、下位レベルの主任を上位レベルに上がるように事務局(後述しています)を立ち上げフルサポートをします。
各売場の売上利益は上限があります。だから、上位レベルの主任のノウハウを下位レベルに伝達して全売場の売上利益を向上する方法を取らないとすぐに頭打ちになります。
上位レベルを伸ばし続ける手法が効果的な場合もありますが、店内の販促企画で売上利益を伸ばすのには最適ではありません。全体最適でどんどん主任が各売場の売上利益上限にたどり着く、というのが重要ですね。たどり着いた順番から横並びの主任にノウハウ伝授をする、という流れが一番です。
ステップ3 情報をもとにした販促会議の実施
では、上位レベルの主任のノウハウはどうやって横展開するのか?先ほど事務局を立ち上げると話しましたが、もうちょい詳しく書くと事務局とは運営管理です。主に会議のファシリテートをしたり、各売場の販促による売上把握、さらには成功事例・失敗事例の共有と再現性を持たせたノウハウ集を配る、などが挙げられます。
では話を会議に戻します。販促会議を定期的に実施をします。1店舗の主任レベルのスタッフが少ない企業は各店舗の主任を集める、でいいと思います。
複数人数が集まる理由は、双方のノウハウを共有することで無駄な失敗を防ぎ、最短で売れる売場・店を作ることができるからです。(よく後で動画撮って共有とかするけど、やっぱりリアルタイムが一番効率的です。資料だってほぼ見てないですよ。見ないといけないんですけどね。)
PDCAをメインに会議では発表をして、各自の販促企画に役立てます。発表するときは基本的にステップに分解して話すことをルールにしています。「こんなことしました。」と言われてもWHATがわかってもHOWがわからなければ他の主任は真似できません。
再現性を重視したプレゼンを心がけてもらうことが大切です。
この後に、
ステップ5 次なる企画を設計(ステップ2に戻る)