なぜ、スタッフは会社を辞めるのか?(あるある離職パターン)
店舗ビジネスにおいて従業員はなくてはならない大切な存在です。
従業員が不足すれば時短営業したり、定休日を設けたり、中には閉店に追い込まれる店もあります。
さらに小売・サービス・飲食業は人手不足で悩む・・・とよく言われていますよね。
でも、私のクライアントで人手不足で悩んでいる方が少ないです、ほんとに。
中には入りたくても入れない待ちの状態になっている店舗もあります。
どうやって多くの店舗経営者が悩んでいる従業員問題を克服しているのか?この質問よく聞かれるので今日はこのテーマでお送りします。
はじめに言っておきますが、今人手不足で悩んでいるのは紛れもなく店舗経営者の店舗経営思想が招いた結果なので100%受け入れる覚悟がある人だけ読み進めてください。
従業員が辞めるのは必ずネガティブな理由がある
スタッフが辞めていくと店長や店舗経営者は「責任感がない!これから営業どうするんだ!」とブチギレる人がいるのですが、だから辞めるんだよ!というのが私の意見です。
普段からスタッフのことなんか考えていないから辞める時だけ急に手のひら返したかのような対応してそれでも辞めると言うと逆上する、この時点でスタッフの離職の決意が変わることはありません。
まるで、「ごめんごめん、俺もう一度頑張るから、頼むよ!」っていつもは偉そうな男が別れ際に彼女とよりを戻そうと必死にお願いするセリフが全く響かないような状況ですよね・・・#知らんけど
いきなり辞めることを決意するのではなく、積み重なった結果離職を決意しているのです。
それまで何度も「でも会社がこれから変わるかもしれないし・・・」「今回こういうことあったけど店長変わるって言ってくれたし・・・」「会社にはがっかりしたけど、もう少しがんばってみようかな」と何度も何度も踏ん張ってきたのです。
それでも改善されない、変わる見込みがない、一瞬よくなったと思ったらまたすぐに元通りになってしまう・・・というイライラが積み重なった結果、「辞めます」となるのです。
そこでまた往生際の悪い男みたいに寄り添ってきても復職なんてあり得ないし、ブチギレられても「やっぱりね」と思う程度です。だから引き留めはなんの意味もないのです。
どうして離職の多い会社はいつも人手不足なのか?
まず間違いなく言えるのは、欲求充足ができていません。
有名なマズローの5段階欲求説がありますよね。このいずれかが欠如しています。
(引用元:https://www.jimpei.net/entry/maslow(マズローの欲求5段階説をこの上なく丁寧に解説する。あなたの欲求はどのレベル?)
私がこれまで出会ってきた会社で離職が止まらなかったのは圧倒的に上から二番目の「承認欲求」です。
自分が必要とされている、自分の居場所がある、という精神的充足が得られないと離職につながると感じています。
同じような毎日、褒められることよりも怒られることの方が多い、感謝なんてまずされない。当たり前だと思われているから自分に価値を感じられない・・・。
この疎外感は組織マネジメントにおいて致命的だと思っています。
ベースとなるお給料をもらうのは当然なんだけど、給料払っているからと言って現場に無茶をさせていいわけじゃない。
働いてるのはロボットではなく人間なのだから。
人が辞めていくのは大抵心がすり減って辞めていくことが多いのはこれが理由です。
経営者は社員のためと口では言うものの、現場を酷使して見ているのは売上利益だけ、口では社員の生活を守るためと言いますが実際はそうじゃない。
〇〇店舗やってんだ!すごいだろ!という見栄でしかなく、現場はそんな経営者にうんざりしている・・・という状況です。
私の友人経営者で離職率が低い企業がたくさんありますが、話をしていてこちらの心が本当に洗われる・・・。
中でも離職率が低い美容室で有名なDearsの北原さんの話は身震いしました。
周りの人が喜ぶことにしかお金を使わないという信条で4年で100店舗、すでに160店舗もあるのに自宅は家賃6万円のアパート。
家賃6万円がすごい!っていうことを言いたいのではなく、創業期からスタンスが全く変わっていないということです。お金を持ったらやりたいのではなく、必要に迫られてする意思決定でしかお金を使わない姿勢が周りを惹きつけているんだなぁと。
どんどん事業投資して関わる人を幸せにする姿勢は先にあげたような搾取型経営者とは雲泥の差ですね。
ぜひ北原さんの新刊を読んで一緒に勉強しましょう。(採用のあり方も価値観が合う人を採用するという徹底ぶりも流石の一言!)
(また北原さんとご飯食べたいなぁ)
店舗経営者としてどこを見て仕事をするのか?
私はコンサルタントとしてクライアントと苦楽を共にしてきてわかったのは、店舗経営者のスタンスは本人が気づかないと変わらないということです。
仕事上、いろんな業界の経営者を見ますが、「自覚」が全てですね。それは、何かを失った時に気づく人もいれば、その手前で気づくことができる人もいるし、そもそも素養があったという人もいます。
従業員は経営者の方向性と企業としてのあり方・文化に毎日触れながら仕事をします。価値観が合わなければ当然離職をする、これは仕方ないです。
しかし、志あるにも関わらず会社や店舗にがっかりして辞めるのは非常にもったいないなと思います。
私もこれまで数え切れないほどこういった現場を見てきました。(だから今は価値観があうクライアントしかいないというのは私自身の関わりで企業価値を高めることに繋がらない限りお互い消耗するだけなのでやりません)
今一度経営のあり方を見直して店舗ビジネスの主役である店舗スタッフが一番好きな場所になるよう変革してくことが大切だと思います。
店舗経営者が変わらないと店長は変わりません。店長が変わらないとスタッフも変わらない。
ぜひここまで読み進めていただいた店舗経営者の中で「参考になった!明日は我が身!」という気づきの人もいれば、引くに引けない気持ちでここまで読み進めたのであれば今こそ変革の時です。
(結構今回は書いていて気持ちが辛かったなぁ・・・辞めていった人は次の職場で幸せになれているといいなぁと心底思います)