離職率を下げるために必要なのはコミュニケーション改善だけじゃない
最近当社の寄せられた相談で「離職率を下げたいのですが・・・」と久しぶりに売上アップではなく離職率低下についての相談で色々聞いてみました。
すると、「社内のコミュニケーションに問題があるのでは?」としきりに答えることが気になりはじめて率直に「もっと大事なことがありますよ」と伝えると本人は絶句、「社長あなたに一番の問題があるはずです。」
と伝えると「えぇぇぇぇ」と苦笑いしていました。あ〜この経営者は大丈夫だなすぐに組織はよくなると確信しました。(だいたいこういうこと言うと激昂する人多いですからね。)
こんなやりとりがあったので今日は離職率を下げたいと思う店舗経営者に気づいてもらいたい3つのミスについてお話します。
離職率が下がらない組織の陥りやすい3つのミス(すべて経営者の責任)
①経営者自身に問題の原因を求めない
離職率が高い組織の特徴の一つにトップの考え方が離職を引き起こしていると私は考えています。
社内のコミュニケーション文化の発端は経営者であることが多く(そりゃそうですよね、誰だって社長と聞くだけでビビりますからね・笑)、本人の意図しないところで自然と悪習慣が蔓延っていることが多いです。
売上を上げたい一心で熱心に経営していても従業員がついて来れない・・・と愚痴る経営者もまさにそうです。
実は、この言葉の裏には「自分はこんなに頑張ってる、でも従業員は全くがんばってくれていない」という思考が隠れています。
しかし、言動に現れてしまうので結局現場に伝わってしまいモチベーションが下がるのです。こういう些細なことなのですが社内文化と経営者の言動を結びつけることを大切にしています。
なぜなら、企業の経営責任はすべて経営者にあるからです。従業員のせいにしても企業維持できないからです。
経営者と組織を切り離して批判をしても意味がないことに気づいてもらい、自分自身の言動や思考、思想が今の会社を作っていることを受け入れることから組織改善は始まります。
②事業部長の組織マネジメントに問題がある
これも①と近いのですが、経営者が「事業部長のマネジメント能力の低さが・・・」と現場の離職率の高さに直接影響しているのでは?と私に投げかけるのですが、これも間違っています。
事業部長は誰を見て仕事をしているのか?離職率が高い組織の特徴は間違いなく経営者を見て仕事をしています。
同じようなコミュニケーションをとるようになっているのです。事業部長クラスの人材に対して厳しい態度をとれば、事業部長も現場に対して厳しい態度をとるようになります。
まれに、反面教師で真逆のコミュニケーションを心がける人もいますが、そういう人は早々に我慢できなくなり会社を去ります。
結局の残るのは平気で現場を罵ることができる(つまり、経営者と同タイプ)人だけが残るわけです。
ここに気づいてもらうことも私の仕事です。部下を使えない、という発言は鏡の法則なのでそのまま自分に返ってきますね。
③PDCAをしているようでPDCAしていない
最後は、習慣についてです。
経営者は、冒頭でもお話ししましたが結果責任を背負っています。しかし、結果が出なければ現場の責任にするのです。
この手の経営者は普段から「PDCA回せ!」と指導をしているわりに自分自身は全くと言っても良いほどPDCAを回していません。
例えば私が「ここ1年の業績から何を学び取って、今期はどのように予算達成するおつもりですか?」と聞くと、ごにょごにょ、それは事業部長に聞いてください、と他人事。
終わってる・・・。
組織の問題の根源は基本的に経営者にあるということをご理解いただけましたでしょうか。
私はこれまで店舗ビジネスを中心に沢山の経営相談を受けてきました。
今日は離職率の高い組織、をテーマにお話をしましたが、あらゆる問題の根源は経営者にあると私は考えています。
数店舗の経営者も「店長が思い通りに動いてくれない。文句ばかり言ってくる、それで厳しい一言をいうとやめますと言われて八方塞がり・・・」ていう人も同じですね。
店長の人格にばかりフォーカスを当てて一番は「自分が傷つくのがこわい」という保身以外の何者でもないわけです。
うまくいっていない店舗経営にはそれなりに理由があるということですね。ここと向き合える経営者は会社を変えられると思います。
でもたいがいこうなる経営者は「ムッ」とした顔になるんですよね。