一人歩きする店長と置いていかれるスタッフ
店長のモチベーションが高いというのは店舗ビジネスにおいてはプラス材料に働くこともありますが、ありがた迷惑になることもあります。
私が店舗コンサルティングに入り、店長と話をするとめちゃくちゃ仕事のやる気がある!これは期待できる!!とコンサルタントとして独立した初期は思っていましたが、これがまた大変(笑)
一般的にはやる気がある店長の店はうまくいっているようなイメージを抱きますよね?
やる気がないよりはずっとやる気がある方がプラスなのですが、やる気があるからといって良い店になるとは限らないのです。
その典型がスタッフの離職です。タイトルを見て「釣り記事だろ!」と思った方もいるかもしれませんが(笑)マジです。
これが辞めちゃうんですよね。私がコンサルティング契約を結ぶ際にも「うちの店長は皆やる気があるのですが、現場がついてこれないのですが・・・」という相談多いです。
実際に現場では何が起きているのかをチェックすると「なるほどな・・・」と思うことがあります。今日はその辺の話を紹介していきます。
一番はやる気があって今日の話を実行できる店長です!
30代の店長と20代のスタッフの間になる深い溝
これは私のクライアントの話なのですが、結構あるあるなので共感する人も多いかもしれません。
30代の店長の多くはアルバイトから働いている、新卒からずっとこの会社、という人が多いです。会社が好きなのとそれなりにプライドを持って仕事をしています。
さらにモチベーションが高い人が多くよりよい店を作りたい!と意気込んでいます。
が、しかし一点だけ欠落しているスキルがあります。それが、組織マネジメント力、です。
一般的に店舗ビジネスは他の業界と比べても教育研修の機会はそう多くありません。入社時研修以外は比較的に配属された店の店長を見て育っていきます。
上を見て育つ、これはすごい大事なことなのですが、上だけを見て育つと後輩が入ってきた際に二つに組織は分かれます。
②上司のマネジメントをそのまま踏襲する
①は自分で勉強をしてどうしたらこれから入ってくる・現状いるスタッフが楽しく働けるか?と上司から受けてきたコミュニケーションとは違ったコミュニケーションを確立して良い店を作ろうとします。
うん、素晴らしい!(まぁそもそも今の時代にあった組織マネジメントができる上司の下で仕事をしてそのまま踏襲する面とちょっと変えるところがあるくらいが最高ですがだいたいそうはならないですね・笑)
問題は②です。やる気があるし、前店長の下でも文句を言わずに仕事をしてきたことが評価されて次期店長へと抜擢されます。やる気があるのですが、文句を言わないという点がポイントです。①のように我慢をしてきたのか、何も考えていないのかで大違いです。
②は悪気なくそのまま踏襲してやる気で組織を押し通そうとします。これが厄介・・・。
例えば20代の若手スタッフが仕事で悩んでいても「大丈夫だよな!頑張ろう!!」と励ましのつもりでも「店長は私のことを何も理解してくれない(する気がない)」と感じてしまうのです。
そうそう、勢いで悩みを吹き飛ばそうとするんだよなこの手の店長って。でもスタッフは繊細な人が多いから話を聞いてもらえないことにショックを受けてしまうのです。
40代の店長は会社の成長期真っ只中にいたので基本的に勢いで仕事をする人が多いです(あくまでも成田調べですので悪しからず)。その勢いに一緒に乗ってきた30代の正社員。勢いを知らない20代といった感じでしょうか。
30代の店長はマネジメント過渡期にある今、自らの意思でマネジメント変革するきっかけを得て、関わり方を変えることが大切なのではないかなと思います。
口癖は「大丈夫大丈夫!」そして、部下が「店長、ちょっといいですか?」と聞くと「おぉどうした!元気ないな!うんうん、そうかそうか、大丈夫だよな!がんばろう!!」で会話終了。最後の「大丈夫だよな!」はテッパンフレーズ。
市場(企業)成長期はマネジメント誤差は勢いがカバーする
店長とスタッフとの間に生まれる溝のことを指します。企業が成長しているときは数字も出ているので、例えば上司に対して疑問や不信感を抱いたとしても「数字が出ている」という現象が上回ってしまい正しさがすり替えられることがあります。
これが状態化すると入社当初はあった違和感がどんどんなくなり、企業文化に染まっていくのです。だからイノベーションは良い時には起こりにくく、悪い時になるとこの違和感を消し去る結果がないので生まれるのです。