生涯取引(LTV)はシンプルに分類すると現場に落ちる
マーケティング用語の一つである「LTV(顧客生涯価値)」は店舗ビジネスにおいても欠かせません。
私はクライアント先では顧客生涯価値といってもマーケの勉強をしていない限り知る由もない言葉(私も独立してから知った)で誰もピンとこないので生涯取引と呼んでいます。
(生涯取引・・・う〜ん一生涯顧客と関係を築くことなのかな、と私がなんとなく思えたのがきっかけです笑)
人口は減るし、商圏の人数もよっぽどな大都市でなければ増えることはありませんよね。
人口が減るということは当然ながら売上も落ちてしまうことになります。このままではつぶれてしまいかもしれない、と焦る頃に「LTVの概念」と出会う店舗経営者は多いように感じています。
それは、言葉は変わりますが、顧客一人あたりの単価を上げましょう、来店頻度をあげましょう、という試みはまさに「生涯取引(LTV)」の考え方です。
(私の書籍でも客単価が上がる接客術の本があります。アマゾンでぜひ検索してみてください♪)
②来店頻度を上げる・・・利益額アップ
目的は同じで利益率が増えます。
と、同時に①②を上げるともう一つ手に入ることがあります。それがファンです。(ロイヤリティの高い顧客)
生涯取引することが目的なので、ビジネスモデルそのものを見直す、ブラッシュアップする必要がある店舗経営者も出てきます。
それこそ幼児教育から老人ホームまで展開するベネッセが恒例ですよね。揺り籠から墓場まで。僕もこれまで30業種ほどの年齢層が幅広い業界をコンサルしてきたので「なるほどなぁ」と唸るビジネスシステムで衝撃を受けたと共に、これからは一人一人の顧客とどれくらいの期間付き合えるのかが鍵だよなぁと思いました。
あなたは顧客の年齢軸で考えた時に何歳から何歳までリーチできているのか?考えてみてください。
取引年数を伸ばすためには確実に年齢軸が必須となります。
これは何も店舗ビジネスだけではなくあらゆるビジネスにも言えます。(一つだけ余談ですが、私の研修の仕事も同じです。初め販売員→店長→管理職→役員と年齢層を徐々に上げていき、今は10代後半から60歳前後までが顧客です)
メインの事業の年齢層前後5歳程度を見ながら設計をすると良いでしょう。(もちろん同年齢にサブサービスを展開するというのもあります。例えば、美容院+ネイル+化粧品+サプリなど、ただ今日は本題からズレるのでまた違う機会に紹介します)
今日も安定の話逸れまくり症候群・・・笑
Twitterにも同じ図を掲載したのですが、より詳しくここでは紹介します。
私のコンサルティングプランの一つに「年齢軸を伸ばして生涯取引(LTV)を設計する」があります。
まずは差別化を図るためにペルソナ(対象顧客)を明確にして、ニーズやウォンツに対応した商品やサービスを作り込みます。その一つがペルソナに対しての商品力の強化です。(これは絶対に外せない)
例えばエステ→日本初!キャビテーション機械「〇〇」上陸!や手技で高評価が得られる口コミなど、特定の商品でぶっちぎりの価値を提供する技術力(商品力)です。
※今日は別話なので詳しく書きませんが、「美しくなる」というコアメッセージに関連する商品やサービスを並べる、という商品ラインナップの充実も、既存商品で築き上げた信頼関係を崩さないように投下します。欲を言うとローンチの段階からメイン商品との相性抜群で信頼関係向上・利益のレバレッジがきく高品質の商品で勝負するという事業コンサルティングもしています。
うまくいかない企業の多くは、品質の良い商品力で満足してしまい横展開(商品ラインナップの充実や他年齢層へのリーチ)をしようとします。しかし、たいていうまくいきません。なぜなら容易に模倣されてしまうからです。「絶対にこの店が良い!」という商品力が決定打にならない時点で今後生き残るのは難しいと思います。(なので商品力は常にブラッシュアップ対象となります。)
ファンが増えることで新規集客コストが低下します。その分のコストは商品開発に費やすのが鉄板です。
規模よりも質が問われるのがコロナ後の店舗ビジネスのトレンドになることは間違いないでしょう。
そして、簡素化されたオペレーションで現場に投下することもポイントです。
あまり個人に依存するビジネスモデルだとスケールしません。
なぜなら離職したらどうしよう・・・と経営者が劣勢に回ると事業推進が遅れます。
私は現場に関しては「依存」ではなく、「余白」を残すように伝えています。
経営者は現場が疲弊せず高利益を出せる事業を計画する。ここにもう一つ付け加えて欲しいことがあります。それは、「店長やスタッフの心が育つ」現場の余白だ。
※最近出会った言葉「スタッフの心が育つ」僕の事業支援のすべてが詰まったワード。大切にしていきたいなぁ。— 成田直人@既存事業を爆伸びさせるコンサルタント (@naritanaoto) July 24, 2021
ここでもツイートしている通り、「余白」を残し現場スタッフのクリエイティブでファンを作ることを推奨しています。
ではこの余白で店舗スタッフは何をするのか?主に二つの質問に対する回答に絞っています。
シンプルにしないと解釈の違いが生まれるからです。
②あなたから買いたいと言われること
シンプルですが、この質問に対する回答が余白(クリエイティブ)の対象になります。
あくまでも顧客を中心に物事を考えて実行をします。あまり小難しいことを言って混乱するくらいならこれくらいシンプルにまとめた方が良いと私は思っています。
上がってきたアイデアを店長と相談をしながら形にしていく、そうすることで自分自身が事業(店舗)に貢献していることを実感できるし、何より自分の居場所があるという安心感は何者にも変え難いです。
ただ商品が安定しても現場は飽きてしまうし、どこかで必ず限界がきます。
ずっとオペレーション脳で仕事をしていれば今後のキャリア形成を考えても個人のためにならないと考えています。
利益と個人の成長両面から事業は構築することが大切ですね。
今日はちょっといつもよりも真面目な話をしてしまいました〜笑
ぜひ事業設計の参考になったら嬉しいです。