事業は必ず上下するから上下のサインを見逃すな
店舗ビジネスで私の知る限り売上が伸び続ける店舗は見たことがない。
必ずどこかで一度売上が落ちて、また伸びる、そしてまた落ちる、この繰り返しです。
売上が落ちた時に何をするのか、という動きと売り上げが上がっている時に何をするのかという二つの動きがあります。
①売上が落ちた時
すぐに取り返せる企画を用意すること、これは基本的に日頃から来店してくださっているお客様と築き上げた信頼を活用して取り組む企画です。
「○○感謝祭」など、日頃から上得意のお客様を集めた販促企画を取り入れることで瞬間的に売上を戻してまた新たな成長曲線を築き上げます。
ただこの上得意のお客様の信頼関係を使った企画は年に数回しか打てません。ここで大口の購入をしてもらうことで一時的に売上を戻せても何度も打てない企画ですから注意が必要です。
②売上が上がっている時
売上が上がっているときは逆に、信頼を築き上げるコミュニケーションに時間を使います。いつもより長く上得意のお客様との接点を作ります。
商品やサービスを購入してもらうことも大切なのですが、親和性を高める企画を取り入れると良いでしょう。
これはクライアントでも実際にやっているのですが、上得意のお客様だけが参加できる店内セミナーやイベントです。
購入よりも関係性を深めることを目的に実施をしています。
中にはドレスコードありの企画で上得意のお客様には1円も負担なく極上なイベントを企画することもあります。(私も何度か紛れて高級寿司を食べたことがあります・笑)
良い時こそ傲ることなく、安心することなく顧客と信頼関係を築き上げ、いつか訪れる危機に備えて準備をする、っていうのが大切です。
事業が低調になった時にみるべき3つの視点
事業成長に欠かせないのは顧客です。顧客との関係性を利用して着実に事業を成長させる方法は先ほどもお話したので、ここからが本題です。
市場(マーケット)とのズレが必ず生じているのでそこを中心に見直します。
①事業成長が低調になる前の1ヶ月間の数字の動きを見る
私がこれまでコンサルティングさせていただいた企業で昨対比の伸びが落ち着いたときは必ず前1ヶ月の数字を見ます。
そこで市場(地域)とのニーズのズレがないかをチェックします。必ず見落としていることがあります。
例えばエリア圏2キロ圏内に新たにライバルが出店してきて、思ったよりも良い店を作っていて顧客が一部奪われた可能性・・・や、昨年売れた商品が今年も売れるだろうという仮説がハマらなかったり(なぜだ?と追求する)、各カテゴリーの売上比率で落ち込んでいるところの担当者と徹底的に仮説・現実の差を埋めるミーティングをします。
成長が鈍化しただけなので、読みの甘さがあったところでいきなり赤字!売上ゼロ!!みたいにはなりませんが、放置はできません。すぐに修正をかけて次なる成長を作り出します。
②販売促進のパターン化疑惑のチェック
店舗ビジネスに欠かせない店舗内の販売促進企画。この企画がある程度パターン化している可能性が考えられます。どの企業でも必ず訪れるのが店内イベントが似たようになり段々と魅力のない企画になっていく・・・悪い流れが生まれます。
100%どの企業も避けては通れない道だなと思うのですが、あなたの会社はどうでしょう。お客様が簡単に飽きてしまう時代だからこそお客様に選び続けてもらうための企画は欠かせません。
そこで私がクライアントに提案をするのは、他業種の販促企画のリサーチです。スタッフで商業施設に行き、どんな販売促進をしているのかを探します。今は便利ですね、300店舗近く店舗が出店するモールが沢山あるのでいろんな企画を一度に収集することができます。
他業種でピックアップした販促案を自店舗に持ち帰りみんなで考えて実行に移します。これでまた顧客にとってワクワクにつながる販売促進を作り出すことができます。ちなみに販促企画は枯渇しません、無限にあります。やっぱりこういうのを自然とキャッチアップできる情報収集力は1年くらいかかりますね、スキルを身につけるのに。
③顧客しか知らない店内ストレスを確認する
顧客の平均単価が落ちた、リピート率が落ちた場合は必ずこの③を重点的にチェックをします。平均客単価=ストレスという側面がありまして、店内でストレスが大きいとそれだけ単価の低下と顧客の離脱があります。
従業員が見落としている店内のストレスがないかと本部社員や店舗スタッフの家族が来店をしてチェックをします。時折覆面調査を依頼することもあります。やはり、店内スタッフはすでに風景化してしまっているので気づきの感度は低いです。
他者の力を借りて店内をチェックしてもらうと、「あ〜完全に忘れてた・・・」みたいなことが出てきます。こういうのはクライアントワークの初めの頃は結構沢山あるのですが、徐々にルールが明確になるので減っていきます。時間はかかりますが、店内のエラーを常にゼロにする工夫をすることが大切です。
以上です。
ぜひこの3つの視点を取り入れて事業成長の鈍化の理由を一度チェックしてみましょう。他にもあるのですが、書いたらキリがないのでまた別の機会に事業成長が鈍化した時にやるべきこと・チェックするべきことを紹介しますね。