従業員満足度を高めることで得られる社長のストレス低減
従業員満足度を高めたい!という経営者からの相談で最初にする質問があります。
それは、「あなたの会社の従業員に自社を採点してもらったら何点つけると思いますか?」です。
あなたなら何点つけることができますか?
私は別に意地悪をしたくてこの質問をしているわけではありません。
正直言ってしまうと、点数が高ければOKで、点数が低ければNGというわけではないですし、私にとっては何点でも良いのです。
ではいったいなぜこの質問をあえて経営者にするのか?
それは、自己評価による課題の可視化です。
試しに下を読み進める前にあなたの会社で考えてみてください。
何点つきますか?60点くらい?70点?それとも30点?さぁどうでしょう。
そして、なぜ100点をつけられないのか?理由を聞きます。
例えば50点だとすれば、残り50点は「従業員満足度が低い理由」があるわけです。
しかもこの50%は経営者は気づいています。まずはこれをしっかりと聞き出すのが私の仕事です。
従業員に対して顔向けできない、後ろめたいことがあるのであればまずはそれを改善しない限り会社の業績を好転させるのは難しいと私は思っています。
なぜなら経営者が本気で従業員を頼ることができない(いや、怖いと言うのが正直なところですかね)からです。
経営者は孤独とよく言いいますが、従業員に嫌われるとはちょっと意味が違います。責任感の差で孤独になることがあっても嫌われるのには違った理由があります。
そしてもう一度言いますが、経営者自身は嫌われている理由をよくわかっています。
あなたにも後ろめたい気持ちになることありませんか?
従業員満足と向き合うことを恐れると離職のリスクを高める
これは私がさまざまな企業のコンサルティングを引き受けてきて実感していることなのですが、従業員と面談をしませんか?と聞くと「怖くてできない」という企業は総じて離職率が高い傾向があります。
なぜ怖いのか?答えはシンプルで従業員に何を言われるかわからないからです。否定されるのではないか、傷つけられるのではないかと不安で怯えているのです。
ここでは、離職する自体の是非を問いたいのではなく、向き合わないことで優秀な人材が会社を去っていく状況は無視できないし、改善できることなのではないかと思います。
特に優秀な人材は経営者との距離を近づけたいと思っています。もっと自分自身に頼って欲しいし仕事ぶりを見て欲しい。
しかし、経営者が従業員と面と向かう姿勢が恐怖が理由で消極的だと優秀な人材は「信用されていない」と思い会社を去っていくのです。
次期役員・次期部長クラスの優秀な中途社員がこれを理由に辞めていく姿を数えきれないほどみてきました。
(もちろんこの状況を改善するために私は呼ばれているのですが・・・)
結局従業員満足度のベースはコミュニケーションなのだなと結論づけざるを得ないシチュエーションが多いです。
あなたは従業員と積極的にコミュニケーションを取り、素直な自分でいられていますか?
(たぶんここまで読まれている方はNOな気がしています・・・)
経営者は孤独なんだ!を独りよがりと履き違えていないか?
よく経営者は孤独と言いますが、私も経営者なので孤独だとは思います。
それは事業の全責任を負っているからこそ孤独感を感じることはあります。
この孤独は従業員とは一線を画して距離を作ることではありません。
従業員がいてくれるおかげであなたは事業ができるわけです。
かつての鬼軍曹と化したカリスマ経営者がもてはやされた時代もありましたが、今は共創の時代です。
独りよがりになることを選ぶのではなく、従業員に自分の弱いところも従業員に頼りたいところも包み隠さず話すことが重要だと思います。
私はエグゼクティブコーチング(経営者専門サービス)として経営者⇆役員や経営者⇆従業員の間に入って両者の話を聞くのですが、まるでイケてない恋愛のようです・笑
「あ〜経営者は不器用なんだよなぁ・・・」と思うことばかりです・・・。
これだけは言えるのですが、経営者はもっと自己開示するべきだと思います。それをすると自分が自分でいられなくなるのではないか?と不安になる社長もいますが、真逆です。
ツンツンして強がっていることで従業員は「必要とされていない」と誤解してしまうケースのほうが多いです。
一致団結して目標達成する組織を作るためにも双方がフェアな関係でお互いに要求しあえる関係が重要ですよね。
だから、今回の記事を読んで「あぁ私のことだな・・・」という自己評価がある方は、一番近い右腕左腕に早速心のうちを明けましょう。
真剣に話を聞いてくれるし、「もっと早く言ってくださいよ」と叱られるかも。ぜひ自己開示して無駄な心のストレスを開放しましょう。