従業員満足度を高めるにはパワハラを排除しなければいけない
従業員満足度を高めるのは仕組みだけではなく日常の何気ないコミュニケーションにもあります。
ここ数年でパワハラで訴えるというのが以前と比べると声をあげやすくなりましたよね。最近でも大手企業の社長の慢性化したパワハラ体制が外部に漏れてブランド失墜の危機にある会社がありましたね。(僕も好きなブランドです)
どうしてパワハラ気質のコミュニケーションがなくならないのか?それはDV(ドメスティックバイオレンス:家庭内暴力)と似ていると言われています。
それは、親(上司)から受けたことを子(部下)にも同じようにする、というものです。
もちろんパワハラ上司が本当に嫌で、自分は絶対になるもんか!とマネジメントの勉強をして部下から信頼を集める上司になる人もいます。
しかし、「マネジメントはこういうものだ!(パワハラ気質)」と受け止めている人は上司になると自分の上司と同じようにパワハラ気質が根強く残ってしまうんだなと思います。
そこで今回は、私がパワハラ上司を支持される優しい上司に変えてきた企業研修の一部分をご紹介します。
(中にはまさに研修を受けた人もこの記事を見るかもしれませんが、受講生に対してパワハラしまくっていたのは成田だ!というクレームは一切受け付けませんので〜笑)
従業員満足度を劇的に高める3Sコミュニケーション術
パワハラ上司を優しい上司にするために必要なのは、次の3つのコミュニケーションです。
②承認
③賞賛
それぞれの英頭文字をとって「3S」と表現しています。(わかりやすいでしょ・笑)
①尊重
クライアントに対してだけではなく、部下のことをも尊重することが大切です。もし部下が仕事をやめる!と言われたら困りますよね。部下が仕事をしてくれているおかげであなたの組織は回っているわけです。
ここでピラミッド型の組織になると「働かせてやっている」という古臭い感情が混じるので厄介です。働かせてやっているのではなく、「働いてもらっている」という考え方がとても大切です。
尊重がベースになると「さん」「くん」づけが自然とできるようになるし、強制力を働かせるようなコミュニケーションを控えるようになります。
②承認
続いて承認です。承認とは、部下の行動を観察して、感謝の気持ちを伝えることです。例えば「田中さん、レジ閉めしてくれてありがとう」、です。
田中さんがレジ締めをしているという行動を認知し、そこに感謝の気持ちを伝える、というシンプルな行動です。
これもパワハラ上司は「仕事なんだから当たり前」という思考が強いので、できたことに感謝するよりもミスを探して咎めます。「遅いなぁ、、、」とか。
③賞賛
最後は賞賛です。賞賛とは部下の小さな成功体験を手放しに褒めちぎる、ということです。
簡単にいうと「おめでとう!」じゃなくて「素晴らしいね!本当におめでとう!!」っていうニュアンス伝わりますかね・笑
ちょっとおおげさに褒めてあげることが大切です。
以上です。たったこれだけなのですが徹底することで部下が心を開いてくれるようになります。
今まで「何かわからないことがあったら聞いてな」と言っても一切質問が挙がってこなかった上司が部下から相談がきて嬉しかったと子供のような顔をして喜んだ姿を沢山見てきました。
こういうパワハラ気質の上司は「私は心を開いているつもりでしたが部下からしてみたらただの何も相談できない怖い人だったんですね」と気付きます。
まさにその通りで、何も相談できない、言われたことをビクビクしながら取り組む、ミスしたらどうしようといつまでも不安を抱えながら仕事をするという地獄を経験させてきた、ということです。
人は思ったよりも自分のことをわかっているようでわかっていません。
人同士なのでお互いに配慮しながら相手のことを思いやったコミュニケーションをとるべきだと私は考えます。
一昔前のようなアンフェアなコミュニケーション形態ではなく、フェアにお互いの主張を受け入れられるような組織がこれからの時代は伸びると確信しています。
とはいえ、需要が供給を上回っている間はオラオラパワハラ上司でもなんとかなってしまう時期があります。「私が言ったことだけをやればいい、よけいなことを考えるな!」と言って企業が成長しているため経営者も強気でいられます。
しかし、こういう組織の需要はいずれ供給を下回る日がやってきます。そうなった時に従業員が一気に離職するのは表面的に会社と付き合っていた、ということです。
余談ですがこれは事業サイドでも言えることです。業績が落ちて利回りしかみていなかったFCオーナーが離れるのと同じです。
どんな時でも切磋琢磨して危機を乗り越えられるパートナーシップを築くことがこれからの時代は重要ですね。