売上を上げる接客の前に仕組みを作る大切さ
既存店舗の売上を上げる時に多くの店舗経営者は「接客で売上をあげよう!」と考えます。
この発想は半分正解で半分不正解です。
既存店はリソースが限られています。
大幅な店舗リニューアルをするわけではないので、
②立地
③価格
を変えるのは難しい・・・だからスタッフの接客スキルが上がれば売上が上がるのでは?と考えるのは正しいです。
しかし、ちょっと待ってください。その前に一つだけやることがあります。
それは・・・「客単価が上がる仕組み」を作ることです。
今日は今すぐできて効果のでる方法を紹介します。
関連商品は手の届く範囲に置く
その一つに「手を伸ばせば届く範囲に関連商品を並べる」というのがあります。
シンプルに「刺身コーナー」には手の届く範囲にスタッフおすすめの「刺身が激うまになる醤油」を置く、ということです。
私はABCマートで各コーナーにお手入れ用品を展示していました。
それこそ10箇所以上展示していたと思います。販売員がわざわざレジ横にあるラックから防水スプレーやお手入れ用品を撮りにいかなくて良いように、お客様のての届く範囲に商品を置くこともそうです。
顧客の視界に関連商品を置いて自然に売れる、接客時であればタイムラグがなくなるようにすることで客単価が上がります。
まずは、仕組みを作り、接客価値を高めて単価アップを狙います。
よくあるのが「+1品の単価アップする接客」をスタッフが取り組むとします。
しかし、お客様は流れで話を聞いているので毎回商品を取りに行き一呼吸置くと冷静さを取り戻す(いらないかもなぁ)ので気分が平常時に戻ります。となるとまたそこを盛り上げるのに時間をかける必要が生じます。これが実にもったいないです。
流れで売る、これを仕組みで徹底することが大切です。
せっかく接客力を高める研修やトレーニングをしても店内がこの接客価値に見合う売場になっていなければ効果は半減します。
ですから、まずは店内に関連商品を置き、自然に売れるようにPOPをつける、そして接客で補完するという手法を取り入れましょう。
商品は絞り三つの価格帯で揃える
似たような価格帯で似たような機能の商品は基本的に売場から排除します。
メーカーとのしがらみがある・・・と言って却下されることもたまにありますが、それ以外を除いてはすぐに実践できるはずです。あとは、発注数を減らしてスペースを縮小するとか。
売上を上げたいのであれば顧客が脳疲労を起こしにくい環境を作らなければ単価は落ちるし、買い物疲れしてリピート率も下がります。
アイエンガー教授らは、アメリカのスーパーマーケットにジャムの試食ブースをつくり、24種類のジャムと6種類のジャムを数時間ごとに入れ替えて提供し、買い物客の反応を調べるという実験を行いました。その結果、24種類のジャムを並べたときには、買い物客の3%しか購入しませんでしたが、6種類のジャムを並べたときには、買い物客の30%近くが購入しました。
引用元:「選択の科学」シーナ・アイエンガー教授