販売促進のアイデアは「理想」を叶えるのか「問題解決」するのか二択で考える
店内で販売促進をする際に鍵となるのは「販促意図」の明確化です。
商品を見て「わ〜かわいい!POPつけよう!」とクライアントのスタッフが突然言いました。
「ちょいまてまてぃ」と私は制止し、どんなPOPをつけるのか?聞きました。
するとかえってきた言葉は「私が商品を見た印象を・・・」と言ったので「その商品を手にするとどんな気持ちになる?(理想)どんな問題が解決される?(問題)」と聞きました。
目的を持ってPOPはつける必要があります。もちろん可愛い!と思って感情が高まったまま勢いで書くことも大切ですが、意図や目的を明確にしてから書いた方が確実に売れます。
「その商品を手にするとどんなライフスタイルが手に入るのか?」
「その商品はどんな悩みを解決してくれるのか?」
こんなふうに商品を見ながら自分に投げかけてみると良いです。
人は商品やサービスを購入する時に二つの視点のいずれかで買うと脳科学では言われています。
それが、「理想(ワクワク)」と「問題解決」の二つです。
販売促進で「理想(ウォンツ)」を選ぶ場合
理想で商品を選ぶ場合はいかに顧客をワクワクさせることができるか?が売り場作りのキーコンセプトになります。
基本的に各売り場担当者のこれまでの「体験」から顧客のワクワクを創出する売り場は出来上がります。
例えばDIYやキャンプなどは鉄板です。(ホームセンター)
DIYは本棚を作る、植木鉢やエアコンカバーを作る、など四角いものは結構簡単に作れるのですが、丸型のリビングテーブルやそれにぴったりなチェア、縁側のベンチにいたるまでDIYスタッフと一緒に作ることができるイベントがあります。
「お父さんがヒーローになるDIY塾」というネーミングで定期開催されているイベントです。(今はコロナ禍で中止にしています)
理想の家づくりをしながら(在宅も増えましたからね)、お子様からの尊敬を集めるという理想的な状態を実現するために取り組んでいます。
販売促進で「問題解決(ニーズ)」を選ぶ場合
お客様は基本的にウォンツにお金を払います。痩せる必要があるのはお医者さんにも言われてるからわかっている(ニーズ)・・・よりも痩せてモテて理想的なパートナーをゲットしたい!(ウォンツ)の方が顧客には響きます。
ですがニーズで販売することも店頭は可能です。顧客は店舗に対して「商品を試す」と「実物を見る」という二つの行為を求めています。事前にオンラインで調べたりして、おおよその購入商品を絞って来店をします。
当然ながら購入するのはオンラインであり店頭ではありません、現時点では。
しかし、店頭に来たお客様にPOPや販促物、店内レイアウトで気づきを促し、接客をし、プロの視点で顧客が気づいていないことに気づかせてあげることで店頭で購入する確率もアップすることができます。
それこそ、私が働いていたABCマートはまさにそうでした。ナイキのスニーカーを購入しに来られたお客様に「用途は?何に合わせるのか?すでに持っている靴は?」とヒアリングを重ねてプロ販売員の視点で「雑誌でみたナイキのスニーカーを買いに来た」というお客様の購買後のリスクを検討します。
例えば、「おそらく色使いが被りやすくなり目新しさや気分一新するのは難しいかもしれないな」となれば、「せっかく購入するのであれば既にお持ちのような靴の色よりも違う色の方が良い気がしますがいかがですか?」と聞いて「たしかに・・・」となれば脈ありだし、違っても話題を変えれば良いので決定的な提案ミスにはなりません。
顧客の購入しようとしている商品の選択肢を疑いよりよい商品やサービスを提案することで信頼されます。
靴を探しに来て(試着確認だけ)、話をしたら違う靴が欲しくなる状態でオンラインショッピングを検討することはあまり考えられないです。
これだけ親身に教えてもらったから「この店員さんから買おう」となるはずです。
なぜなら、私の働く店の周りにあったライバル店舗は30%〜50%オフをしていても私たちの店で靴を買ってくださるお客様で溢れていました。
来店のたびに信頼関係を育んでいるのでそう簡単に他店舗に流れることはありませんでした。
顧客の検討している商品を右から左に売れば次からはもっと安い店で買うでしょうし、すでに他の店に足を運んで言れば「あっちのほうが安いからあっちで買おう」となるでしょう。
今はオンラインでの購買障壁もコロナ禍ですっかりなくなりスタンダードになりつつあります。
今一度店舗のあり方を見直すタイミングにきていると思います。
顧客の選択肢を疑い新しい価値を提案できる販売促進からの接客販売のデザインがとても大切です。