クレームのほとんどは初動の遅さから生まれる
クレームの原因となるミスは誰にでもあります。
私もABCマートやPCデポでもクレームになったことは数回あります。
たまにクレーム対応研修の依頼を受けることがあるのですが、正直クレーム対応ばかりしていても仕方がないと思っているので引き受けません。
(大手企業レベルのメーカーで、ある一定数のクレームが発生してしまう、そして数が膨大な場合は別です。クレーム対応室が必須となります)
私の持論ですが、各店舗で起こるクレームに関しては正直言ってクレーム対応を磨いてもあんまり意味がないと思っています。
仮にクレームが起こったら即対応して謝罪することが大切です。これで十分です。
しかし、この初速が遅くなり大抵のミスはクレームへと繋がります。
自分の判断で報告せずになんとか解決しようと思って時間だけが無下に過ぎていく、そして結果的にクレームになるケースがほとんど。
私のクライアントの中にはクレームが起こったら即座に報告したら一切ペナルティなし、というルールになっています。
しかし、初動が遅れて大きなクレームへと発展してから報告した場合はペナルティありにしています。
これも一つの仕組みですよね。クレームを起こすと上司にもお客様にも怒られる、というダブルパンチに怯えて前者への報告が遅れるのでむしろ報告したら一切怒らないよ!というルールを設けたことでクレームの問題発生深刻度合いがほぼ責任者による口頭謝罪と対応策の定提示で済むようになりました。
放置はだめ!絶対!(どこかの広告みたいになってる・・・笑)
基本的にはクレーム発生時は上記に仕組み(ルール)で十分だと思います。
もっと重要なのはここからです。
再発防止策を明確にすることで同じクレーム発生を撲滅しよう
そして、再発防止に繋がる仕組みを作ること、こっちの方が超絶大切です。(私はそう思っています)
例えば私がABCマートで働いていた時のあるあるクレーム対応策がこれです↓
こういった誰でもできる仕組みを作ることで同じミスを防ぐことに繋がります。もちろん100パーセント防げるわけではありませんが、限りなく100パーセントに近づけることができます。
これらの取組みにすっかり慣れた私は独立して衝撃を受けるのです。なんと、こういった再発防止策について議論をされる、というよりは責任のなすりつけあいで全く同じクレームを撲滅する建設的な議論がされていなかったのです。
あなたの会社はいかがですか?もし、うちも同じや〜という方はクレーム再発防止策担当大臣になって欲しいです。
誰かが本気でクレームの再発防止についてメスを入れないといつまでもクレームは減りません、いや人手不足のこの世の中だからこそ日々の数人分の仕事をこなすことで疲労も蓄積し、ミスはさらに発生しやすくなっているかもしれません。
このような環境下で再発防止について議論せず責任のなすりつけ合いをしても仕方がないと私は思います。(あなたもそう思うでしょう!)
再発防止のための2つの質問
②不足を補うためにどんな資源や仕組みが必要か?(限りなくお金をかけず知恵で検討しよう)
①来店中のどのプロセスに不足があったのか
まずは原因の特定から入ります。間違ってもここで「お前は何をしてもダメだな!」と叱りつけるのではなく、社内・店内に適切なルールや仕組みがなかったことでスタッフが被害を受けたくらいで受け止めるのが良いです。
あなたにもクレームを起こした経験なんて過去に何回かあるわけですから。
「いやいや、うちのあるスタッフはクレーム発生の常習犯ですよ!」とたまに言われることがあるのですが、「そりゃ大変ですね。でも、顧客にとって最高に良い店を作るために必要な仕組みを作る機会を作ってくれてると前向きに受け止めましょうよ」と言うと毎回「先生は現場にいないからそんなこと言えるんですよ。クレーム処理するこっちの身にもなってください」とよく言われます(笑)
同調しても採用したのは当の本人なのですから自分の責任です。それをスタッフの責任にしても意味がないと私は思っています。
というかスタッフのせいにして怒ることで気分が一瞬スッキリするだけでなんの解決にもなりません。
クレームが発生することは良いことではありませんが、再発防止策が生まれて多店舗あれば事例共有すれば他のスタッフのクレームだって防げるわけですから決してマイナスだけの出来事とは言えないと私個人的には思っています。
②不足を補うために必要なのは備品?ソフト?ルール?
続いて再発防止策を立案するために制限なしに「どうしたら同じクレームを撲滅できるか?」について議論をしましょう。
いったん制限を外してアイデア出しすることをおすすめします。
実現できるかどうかは後でよくてまずはどれだけコストがかかるかわからないものでもOKです。
そして、一通りアイデアがでたら現実的なアイデアへと絞っていったり、制限なく出したことで生まれた高コストアイデア(笑)の一部分を切り取ったモノ同士をつないで生まれたアイデアを作るなど選別していきます。
最終的にはかかるコストを明確にして最も効果の高い方法を採択します。
以上です。
この二つの質問をするだけで比較的再発防止策にたどり着けているのであなたの店舗や会社でも実践してみてください。
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