新規集客命で評判の設計がない店舗経営の再生プラン
新規集客をいまだに広告頼りではこれからの時代生き残るのは難しいでしょう。もちろん広告費をゼロにする必要はないと思いますが、広告費だけをかけ続けるモデルはしんどくなるだろうなと思っています。
以前ある企業の経営者から相談を頂いたのですが、「チラシをまいてもお客様が全然こなくて困っています」と悩んでいる様子。
私は、いくつか問題点が挙げられると思いますが・・・と前置きした上で
②チラシの配布枚数やエリアの再選定
③上記でない場合は評判の設計がなされていないため悪い評判でチラシに反応しない
とざっくり伝えました。話を聞いていると全部っぽくてどこから手をつけたらいいかわからない様子でした。
オープンして10年以上経っているため、チラシを見ても「あそこはこうだからなぁ(悪評)」という状態を覆さない限り効率的な新規集客は難しいと伝えました。
そこで私が提案したプランはこちらです。
→リピート率の向上による単価・利益率向上
②エリアの再選定・チラシ編集(ABテスト)
→パターン化した販促を廃止
③店内・店外リニューアル
→顧客の店内体験の最適化でファン激増
(ちなみにこのクライアントは駐車場を縮小して自転車置き場を拡充しました)
と、こんな風にプランニングをするのですが、基本的にはこのデザインの時点で勝敗が決まります。
ありがたいことにこれまで数えきれないほどの業界と店舗の売上アップ支援をしてきたので割と早くデザインをすることができます。
目標達成を強いる組織はこれから支持されなくなる。それよりも目標予算が自然と達成できる環境を作って「みんなのおかげで達成できたよ〜」という組織が伸びる。結局経営層のデザイン次第ってことです。僕はこのデザインが圧倒的に強みなので実行力の高い組織だとめちゃくちゃ成果が出ます。
— 成田直人@既存事業を爆伸びさせるコンサルタント (@naritanaoto) April 5, 2021
本当にこの通りで、実行力の高い素直な組織は秒で売上も利益も伸びます。もちろん、事業再生となると実行力が低いゆえに業績悪化しているので底上げも含めたデザインを入念に作り込みます。
なのですが・・・
自分の思い通りにクライアントの売り上げが伸びた時にいつも思うことがあります。
なんで自分の会社は思い通りに伸びないんじゃぁぁぁぁ!って。
— 成田直人@既存事業を爆伸びさせるコンサルタント (@naritanaoto) April 5, 2021
と、ぼやいてしまったほど自社のデザインは全くできません・・・誰か助けてください(涙)ぴえん。
(人のことはよく見えても自分のことはよく見えないよね〜・笑)
はい、冗談はさておき実際にどうなったのかお話します。
新規集客の既存プランの反応が落ちたら顧客満足度に着目しよう
この視点とても大切です。正直顧客を集めるという行動をストップ(減らす)のが怖くなるかもしれませんが、広告費に投資するお金を一度既存顧客に向けてみるとリピート率が上がり結果的に広告以上の来店数を作り上げることができます。
経営者→社員→常連→リピーター→新規顧客→見込み客と外側にいけばいくほど反応は忠誠心が低いため鈍るのですが、新規集客がうまくいかない時はリピーター・常連に目を向けて仕事をしてみると外側の新規顧客に新たな来店動機付けとなるキッカケが得られますし、外側でうまく利益が取れない時は、内側でしっかりと利益が上がる仕組みや努力が必要だと思っています。
うまくいかない時こそ外側ではなく内側に目を向けましょう。
では、具体的にこのクライアントではどんな取組みをしたのか?
それは、会計後アンケートです。商品を購入されたお客様が袋詰めをしている最中(あっクライアントはスーパーマーケットです)に、店内の快適さについてのアンケートを口頭でお聞きします。
これも外注するのではなく、普段店頭で働くスタッフが制服のまま聞くことでお客様も「お店の人なら答えようかしら」となるので外注にして嫌がられるよりも「もっと良いお店作りたいので教えていただきたいことが3つあります!」と言われた方がお客様も話をしてくれます。
このアンケートは毎月テーマが変わっていて、今月は「通路幅」「惣菜コーナー」「店員の接客」、来月は、「レジ対応」「店内清掃」「商品の手にとりやすさ」と変わります。
こうすることで選択と集中で一つ一つしっかりと良い店にするためのアクションプランの練ります。
もちろん一気に全部できたら一番良いのですがなかなかそこまでのリソースを割くことができないのが現状なので毎月3テーマでやっています。
店内がどう変わったのかは掲示板に張り出す
店内でのお客様満足度を向上するために毎月テーマを決めてアンケートを取るというのをお話しましたが、この改善結果をしっかりとお客様に見える化(アピールです、アピール!)しています。
お客様もこの掲示板に店舗がどう変わったのかをみるのを楽しみにしている人も多く毎回じっくりと改善結果をご覧になるお客様で溢れています。
このアンケートは日に日に回答率が上がってきています。なぜなら掲示板を見て「お客様の声」がしっかりと反映されていることがわかるからです。
こうして顧客満足度を向上する仕組みが出来上がり店舗のリピート率も向上しました。おそらく中には自分のSNSにもアップしてくださったりと拡散してくださったのか広告費を下げたにも関わらず既存店の売上が昨年よりも2%ほど上がっていました。
そして、また新たな広告で新規顧客獲得のための行動に出ます。
既に高い顧客満足度を獲得しているからこそ新規顧客の集客が活きます。まだトライアンドエラーは続きますが、確実に地域ナンバーワンになるデザインはできているので次の施策も必ず成功させます。
ぜひご自身の店舗ビジネスの広告戦略の参考になれば嬉しいです。