店舗コンサルタントはこれからの時代に欠かせない大切な仕事
ここ2,3年の店舗ビジネスのホットワードは「DX化」です。
AIやシステムを活用してできる限りオートメーションを促進し、店舗運営の効率を上げようと必死になってやっています。
私も大手小売業やサービス業がクライアントなので毎年莫大なDX予算とも呼べるデジタル化推進の姿を間近で見ているので「日本の店舗ビジネスは大きく変わる!」とめちゃ期待しています。
個人的に日常生活ですごいなと思うのはやっぱりユニクロさんですね。
レジに行けば100%セルフレジですよね。しかもカゴを置けば会計終了という早さも好きです。
しかし、DXが中途半端になっている店舗ビジネスもありますよね。
逆にDX化したことで無駄な管理コストが発生して現場が悲鳴を上げているところもあります。
一例がスーパーの無人レジですよね。
無人レジのはずなのに必ず管理スタッフがいて一般レジスタッフよりも忙しそうにしています。
お客様が慣れない、というだけではなく不便なシステムになってしまっているということに問題があると思っています。
とはいえ、徐々に改善されてユニクロさんのようなレジになるんだろうなぁとは思っています。
どんどんオートメーション化している中でどうして店舗コンサルタントが必要なのか?を今日はお話しましょう。
店舗ビジネスを効率化させて良い部分としてはいけない部分がある
DX化を促進していくと良い面ははっきり言って無駄な作業です。
無駄とは想像力の必要がない仕事を指しています。
もっとわかりやすく言うと、一秒でも早く正確に終える仕事はほぼすべて当てはまります。
例えば入荷検品や品出し、在庫管理などは今後DX化が促進されてどんどんオートメーション化していくことでしょう。最近では配膳ロボットがいますが、入荷された商品も店頭に並べたりストックルームに置くというのもロボットがやるようになると思います。
夕方入荷して閉店後にロボットが稼働して朝には全部終わってる・・・
深夜に生鮮食品が入荷してオープン前には終わっている・・・
こんな日がやってくる可能性は比較的高いんじゃないかなと思っています。
このように言われたことを言われたとおりにやる仕事は基本的にオートメーション化されていくでしょう。
でも、すべてをオートメーション化してはいけないのです。
なぜだかわかりますか?
理由はとてもシンプルです。「人は飽きる」からです。
店舗に行く時に「わくわくする」ことありませんか?
何か今までとは違った商品やサービスと出会えるかもしれないわくわく感。
ただ買い物をするだけならもう店舗はいらないのです。
だからすべてをオートメーション化してしまうとオンラインショップが競合になりすぐに駆逐されます。
仮にAmazonが生鮮食品を扱ってみてください、物流革命も起こったらどうなるでしょうか。
世の中のスーパーマーケットの大半は不要になるんじゃないですか。
なぜなら、商品に対する情報量は実店舗よりもオンラインの方が圧倒的に多いからです。
例えば、ゴミ袋一つとってみても「安いから」と手に取ってすぐに破れて使い物にならなかったという経験ありませんか?
Amazonだとこういうことはあり得ないですよね。なぜなら圧倒的なレビューが存在するからです。
「すぐに破けるから絶対に買ってはいけない」とか書かれるでしょう。
しかも生鮮食品を見極めるプロが野菜やお肉、魚などの商品選定して各家庭に届けたらもう店舗行かなくなりませんか?
欲しい商品を買う場所、なら店舗はもういらない
欲しい商品を購入するときに人は「損失の回避性」を検討します。
簡単に説明をすると「最安値」で購入する、という思考です。
あなたもアパレル店で「この服いいなぁ」とみて、試着をしてネットで調べて「あっこっちの方が安いじゃん」と購入した(しようとした)経験ありませんか?人は自分の判断で欲しいと思った商品に関しては1円でも安く購入する思考が働きます。
誰だって損したくないですからね。
実は購入した翌週からセールで今着ている服が安くなってて怒りに震えた経験ありませんか?(僕はめちゃくちゃショックを受けました)
例えばパソコンを購入する際に誰でも1円でも安く購入したいから一度は価格.comを見ますよね。
さらに店舗ビジネスとオンラインショップで考えると販管費が圧倒的に少ないオンラインショップが有利なのは間違いありません。
私は常々クライアントにも「安い・便利で勝負はするな!顧客体験価値で勝負しろ!」と言っています。
価格でもネットには勝てないし、重たい思いをせずに玄関前に持ってきてくれる時点で便利も勝てません。
こういうことを書くと「購入したらすぐに使える」とか言う人いますが、物流も進化し続けていて当日に持ってきてくれることもあるし、遅くとも翌日には自宅に持ってきてくれる時代です。
ネットで買うと届くのに1週間くらいかかる、はもう過去の話というわけです。
時間軸でもどっこいどっこいとなると店舗で購入する価値はどうやって作るの?と思うでしょう。
ここに店舗コンサルタントの価値があります。
これからも店舗は残っていくし、オンラインだけで勝負をする時代にはなりません。
体験価値が高ければどの業態の店舗も残っていくことでしょう。体験価値が低い店舗だけが順番に潰れていくということです。
顧客体験価値の指標は客単価と部門別昨対比である
店舗ビジネスでの顧客体験価値の計り方は大きく分けて二つあります。
一つは購買単価の向上です。
そして、もう一つは部門別(カテゴリー別)売上の昨対比伸び率です。
共通しているのはどちらも売上アップに繋がっている点です。
例えば予算3000円でスーパーマーケットに買い物に来たとします。
ここで、3000円分の食材を買う購買行動から生まれる顧客体験価値は満足もしくは不満です。
しかし、働くスタッフ一人一人の工夫で3000円のはずが、3500円になったとします。
追加で1品・2品と商品を購入してくれました。どの商品もこれまで購入したことがない商品です。
自宅に帰り追加で購入した1・2品を実際に試して見ると「これまた最高!」とライフスタイルに彩りが出たとします。
このときにお客様は「あの店に行って良かった」「あのスタッフに相談して良かった」「声をかけて良かった」という感情が生まれるのです。
これが顧客体験における感動のメカニズムです。
より多くの商品を購入してくださったのに感動してくれる・・・のです。
スーパーマーケットや一般的な小売業はこの事例のように顧客のライフスタイルに彩りを加える、ライフスタイルを激変させる、ということをゴールに販売促進や店作り、接客スキル向上を図ることが大切です。
この全体設計とトレーニングをするのが店舗コンサルタントになります。
欲しい商品を右から左に販売するのではなく、顧客の日常生活を変えられる力を持つ商品を販売員やスタッフの力を借りて販売し、顧客体験価値を感動レベルに引き上げることがこれからの店舗経営には欠かせない、ということです。
店舗集客はいよいよ評判・評価で選ばれる時代に突入した
顧客体験価値が感動レベルになることで集客や採用にも好影響が出始めます。
これを口コミ集客と私は呼んでいます。
実例も豊富にあるこの手法を活用するkとおで、集客コストを限りなくゼロにすることができ、質の高い顧客(トラブル・クレーマーがいない)ばかりを送客することができます。
結果的に従業員満足度も高まり離職率が下がります。
さらに、口コミを見た求職者がいくつかの会社で迷っている際の決定条件になることも多々あります。
現時点でも採用面接にきた求職者のグーグル口コミ閲覧率はほぼ100%です。
顧客体験価値を高めて利益率を向上し、店舗ビジネスの大きな課題の一つである集客も0円で自動化できるのが店舗コンサルタントの価値と言えます。
超高収益店舗を作る上でこれからの時代にあった店舗経営を指南する店舗コンサルタントの価値は高まるばかりだと確信しています。